ネズミ駆除に捕獲器は使える?効果的な設置方法や注意点を解説

ネズミ 捕獲 器

ネズミを駆除する方法のひとつに捕獲器があります。忌避剤や超音波とちがい、物理的にネズミを捕まえるので、効果が高いように感じます。

たしかに正しく設置ができれば、ネズミの捕獲は可能です。ただし、メンテナンスや後処理など大変な部分もあるため、製品の選び方には注意が必要です。ここでは、ネズミ捕獲器の選び方や効果的な設置方法、注意点などを解説しています。捕獲器をこれから使用する人や、使ったけどネズミが捕まらないという人は確認してみましょう。

捕獲器はネズミ駆除に効果があるのか?

捕獲器はネズミ駆除に効果がある製品です。ただし、ネズミ駆除の中でも使い方の難しい方法になるため、特徴をしっかりと理解しておく必要があります。

同時に複数匹の捕獲ができない

捕獲器は基本的に一度に1匹のネズミしか捕獲できません。一方ネズミは、基本的に群れで行動し、繁殖力も高い生き物です。捕獲器で1匹ずつ捕まえている間に数がどんどん増えてしまい、駆除が難しくなる場合があります。

作動音が大きいのでネズミが警戒しやすい

多くのネズミの捕獲器は作動にバネを使っており、大きな作動音が鳴るものが一般的です。このような大きな音はネズミを驚かせてしまうだけでなく捕獲器に対して警戒するおそれがあります。その結果、初めは捕獲ができていても、次第に捕まりにくくなります

後処理が大変

ネズミの捕獲器には生きたまま捕まる製品と、捕まったら絶命する製品がありますが、どちらも後処理が必要です。

捕まえたネズミが生きていた場合、捕獲カゴごと水没させて処分するのが一般的です。ネズミは帰巣本能が強いため、かわいそうだからと外に放してしまうと、家の中に戻ってくる可能性が高くなります。

また、ネズミが絶命していた場合は、捕獲器からネズミをだす必要があります。かご型であれば入口の蓋を開けて本体を軽くふれば中からでてきますが、板状のものは、バネからネズミを外す作業が必要です。いずれにしても慣れていない場合は大変な作業になります。

なお、ネズミにはさまざまな虫や病原菌がいるため、作業は必ず手袋を着用し、慎重に行う必要があります。

捕獲器を設置するポイント

捕獲器を設置するときは、下記のポイントを守ることでネズミの捕獲率を上げられます。

  • ネズミの種類に合わせてエサを変える
  • 周辺にエサになるものを置かない
  • 複数台を設置する
  • 粘着シートと併用する

捕獲器を本体の説明書通りに正しく設置することは大切ですが、捕獲率を上げるにはある程度の工夫も必要です。それぞれのポイントを詳しく確認しておきましょう。

ネズミの種類に合わせてエサを変える

設置したエサに触れると仕掛けが作動する捕獲器を設置する場合、エサの選び方で捕獲率が大きく変わります。家の中に侵入するネズミには、クマネズミ、ハツカネズミ、ドブネズミの3種類がいますが、好みの食べ物が異なります。

たとえば、クマネズミやハツカネズミは、植物性の食べ物を好むため、ヒマワリの種やトウモロコシ、サツマイモなどをエサにするのが効果的です。

一方ドブネズミは、動物性の食べ物を好むため、肉や魚、チーズなどをエサにします。捕獲器のエサ棒に付けやすいからという理由で魚肉ソーセージを選んでも、ハツカネズミやクマネズミを捕まえられる可能性は低くなります。

そのため、捕獲器でネズミを捕まえるならネズミの好みにあったエサ選びが重要です。

また、捕獲率を上げるには、誘引効果を高めることも大切です。エサにごま油を付けて香りをだすことや、撒き餌をすることで、ネズミの興味を引き、捕獲率を向上させることができます。

周辺にエサになるものを置かない

捕獲器を設置するときは、周りにネズミのエサになりそうな食べ物が一切ないようにしてください。ネズミは警戒心の強い動物のため、捕獲器の外に普段食べ慣れているエサがある場合、そちらを優先して食べてしまいます。その結果、捕獲器の中のエサにはなかなか近づかなくなってしまうのです。

食べ物を冷蔵庫や棚の中にしまう、タッパーに入れるなどして対策をしましょう。

複数台仕掛ける

ネズミ駆除に捕獲器を使う場合、複数台を設置しましょう。ネズミは群れで行動することが多く、一度に複数匹が同じ場所に現れることがあります。

しかし、捕獲器は基本的に1台につき1匹しか捕まえられないため、1台だけ設置していても、ネズミの繁殖スピードが上回ってしまうおそれがあります。複数の捕獲器を同時に仕掛けることで、より多くのネズミを捕獲することができるため駆除の効率を上げられます。

また、捕獲器は、ネズミのエサ場に捕獲器を設置することが大切です。エサ場が分からない場合は、ネズミの糞を探してみましょう。エサ場はネズミの滞在時間が長いため、糞が他の場所よりも多く落ちている傾向があります。そのような場所に捕獲器を設置すると、捕獲率が向上することがあります。

複数台の捕獲器を適切な場所に効果的に設置することで、ネズミの群れを効率よく捕獲し、駆除効果を高めることができます。

粘着シートとの併用が効果的

捕獲器は粘着シートと併用することで捕獲率を高められます。捕獲器が作動して大きな音がなると、周りのネズミが驚いて飛び跳ねるような動きをします。その際、周辺に粘着シートが敷いてあると、付着する可能性が高くなるためです。

これにより、捕獲器だけでは捕まえきれないネズミを粘着シートを通じて捕獲することができます。捕獲器が一度作動すれば、複数匹が捕まる可能性があるため、駆除の効率を上げられます。

捕獲器の選び方

ネズミの捕獲器はさまざまな種類が販売されています。どの製品もきちんと設置ができれば、ネズミの捕獲はできると思います。その中でも次の基準を満たした製品を選ぶことでさらに快適に長く使える可能性が高いです。

  • エサの取り付けが簡単
  • 構造がシンプル

捕獲器を設置するときに地味に面倒なのがエサ付けです。昔ながらの箱型やドーム型の捕獲器は、エサを取り付ける棒が小さいため、エサを付けるのに一苦労します。また、取り付けられるエサの種類が限られるのと、付けられる量も少ないため、誘引効果もあまり期待できません。そのため、エサの取り付けが楽でいろいろな種類のエサがつけられる製品を選びましょう。

また、捕獲器は繰り返しつかうことが多いですが、ネズミが捕まると汚れてしまいます。少し汚れていたほうがネズミが警戒にしくいのですが、度が過ぎると作動に影響するおそれがあるため、定期的な洗浄が大切です。そのため、洗いやすいように構造がシンプルな製品を選ぶことをおすすめします。

捕獲器でネズミを駆除するときの注意点

ネズミを捕獲する際には、以下の点に留意することが重要です。

  • 子どもやペットのいる場所で設置をしない
  • できれば毎日確認をする

思わぬケガや事故を防ぐためにも確認しておきましょう。

子どもやペットのいる場所で設置をしない

捕獲器を設置する際には、子どもやペットのいる場所では設置しないように注意が必要です。ネズミの捕獲器は、ネズミを捕まえるために強力なバネを使用していることが多いです。そのため、子どもやペットが誤って触れてしまうと、ケガをするおそれがあります

また、ネズミが捕獲されたあとに近づいてしまうと、噛まれたり身体についてるノミやダニなどの虫がうつってしまうリスクがあります。子どもやペットは好奇心旺盛で、物珍しいものがあるとついつい物に触れたり近づいたりしてしまいます。そのため、捕獲器を設置する際は、設置を検討する際は、子どもやペットがいない安全な場所を選びましょう。

できれば毎日確認をする

捕獲器を設置した後は、できれば毎日確認することが重要です。なぜなら、捕獲器に捕まったネズミの死骸を放置すると、虫や病原菌が発生して人やペットの健康に被害を及ぼす可能性があるからです

また、夏場などは、死骸が腐敗しやすく、臭いや汚れが出やすくなります。そのため、できるだけネズミを生きたまま捕獲できるように、捕獲器を毎日確認することが大切です。

捕獲されたネズミを早めに処理し、リスクを最小限に抑えることがネズミ駆除の成功につながります。安全な処理を心掛け、環境にも配慮した駆除を行いましょう。

ネズミの被害を減らすための対策

ネズミの被害を無くすには、ネズミを駆除するだけでなくその後の対策も重要です。どのような対策を行えばネズミの被害を減らせるのか確認しておきましょう。

ネズミを駆除した後は糞尿や巣の残骸を処理する

ネズミを駆除した後は、糞尿や巣の残骸をきちんと片付けましょう。ネズミのニオイが残っていると、他のネズミがニオイをかぎつけ、再び入ってくるおそれがあるからです。また、糞尿からはさまざまな病原菌が発生するおそれもあります。

せっかくネズミを駆除できても、再び被害が広がってしまうことがあるため、それを防ぐためにも糞尿や巣の残骸を徹底的に片付ける必要があります。

そのため、ネズミを駆除した後は、環境を清潔に保ち、糞尿や巣の残骸をきちんと処理することが大切です。安全な方法で清掃を行い、ネズミの再侵入や健康被害を未然に防ぐように心掛けましょう。

ネズミの侵入口をふさぐ

ネズミを駆除した後は、再び侵入してくることを防ぐために、侵入口をふさぐための対策が必要です。ネズミは小さな隙間でもしっかりと通り抜けることができるため、壁の隙間や屋根の裂け目、床下の通気口など、わずかな隙間が空いていると侵入できてしまいます。

壁や床の隙間は、シーリング剤やパテで塞ぎ、通気口などは目の細かい網を設置することでネズミの侵入を防止できます。ネズミが入り込む可能性のある場所を注意深くチェックし、適切な方法で侵入口をふさぐようにしましょう。

専門業者への依頼も検討する

ネズミの駆除や糞尿の処理には危険が伴うため、素人が行うことは難しいことがあります。特に、ネズミにはさまざまな病原菌が存在するため、死骸の取り扱いには注意が必要です。

また、侵入口がなかなか分かりにくいこともあり、全ての侵入口を見つけることが難しい場合があります。そのため、自分だけではきちんと対策ができるか心配な人は、ネズミ駆除業者への依頼も検討してみましょう。

ネズミ駆除業者は、知識や経験が豊富なため、安全に効率よくネズミを駆除します。さらに、駆除だけでなく室内のクリーニングも行ってもらえます。ネズミが侵入したことによって汚れた箇所を丁寧に清掃し、衛生的な状態に戻してくれます。さらに、侵入対策もしっかりと行ってもらえるため、再発防止にも効果的です。

安心してネズミ駆除を行いたい場合は、専門業者に依頼して専門知識と経験を活かしてもらうことをおすすめします。