ネズミ駆除において、忌避剤は非常に有効な手段です。この記事では、効果的な忌避剤の選び方、使い方、そして注意点について詳しくご紹介します。家の中に侵入したネズミを追い出し、安全で快適な環境を取り戻しましょう。
なお、この記事では忌避剤を使用する際の注意事項や成分についての解説はしていません。詳細については、商品に記載されている「使用上の注意」などでご確認ください。
忌避剤とは
忌避剤とは、ネズミの嫌がる匂いを発生させる特殊な成分を使用した製品のことです。ネズミの嫌がる匂いや成分を発することでネズミに不快感を与えて、特定の場所から遠ざけたり、侵入を防いだりする効果が期待できます。
忌避剤には、煙を出すタイプ、ゼリー状、スプレータイプなどがあります。使用している成分も、天然成分をベースにした忌避剤や化学合成された忌避剤など、さまざまな種類があります。
嗅覚が発達しているネズミに効果的
ネズミは暗い場所を好む動物のため、明かりが無くても行動できるように、視力より嗅覚や聴覚が発達しています。微量の臭いや匂いの変化にも敏感に反応するため、ネズミが嫌がる匂いを発生させる忌避剤はネズミ駆除に効果的な手段となります。
設置は基本的には置くだけで簡単
忌避剤の使用は比較的簡単で、一般的にはネズミがいる場所や侵入してほしくない場所に置くだけです。特別な技術などは必要ないため、手軽に利用できます。
忌避剤の効果が出ていれば、ネズミの嗅覚に反応して匂いのする範囲に近づかなくなります。
ドブネズミには効果が薄いことも
家の中に侵入するネズミは、イエネズミと呼ばれており「ハツカネズミ」「クマネズミ」「ドブネズミ」の3種類が該当します。
このうち、ドブネズミは、高い所に登ることが苦手なため、床下や1階部分などにいる傾向があります。詳細は後述していますが、忌避剤は空気の動く場所では匂いが流れてしまい、効果が弱まってしまうことがあるのです。床下は湿気がこもらないように風が通り抜けやすくなっているため、忌避剤には適さない環境になります。
そのため、床下のドブネズミを駆除する目的で忌避剤を設置しても、効果が出にくいことがあるので注意が必要です。
ドブネズミの駆除には、超音波グッズが効果的です。超音波は空気の流れに影響されないため、床下でも効果が発揮できます
忌避剤の選び方
ネズミの忌避剤にはさまざまな種類があるため、なにを基準に選んだらいいのか迷ってしまうことがあります。
結論から言えば、何が効くかは実際に試してみるまでわかりません。ネズミと一口に言っても個体差があり、同じハツカネズミであってもハーブ系の匂いが効く場合もあれば、そうでない場合もあるためです。
ですから、忌避剤でネズミを駆除するには、一度の設置で判断するのではなく、いくつか試してみることが重要です。
とはいえ、忌避剤を選ぶ際の基準のようなものがあると選びやすいと思いますので、いくつか紹介します。
住んでいる人が不快な気分にならない製品を選ぶ
ネズミの忌避剤は、住んでいる人が不快な気分にならない製品を選ぶことが重要です。忌避剤は、成分が同じ空間にとどまっている場所のほうが効果が高いため、室内に設置するのが一般的です。
しかし、忌避剤が家の中にあると、常にその匂いをかぐことになり、気分が悪くなるおそれもあります。忌避剤でネズミを駆除するには、ある程度の期間が必要になることもあるため、ネズミを駆除する前に住んでいる人が参ってしまう、ということにもなりかねません。
そのため、忌避剤を選ぶときは、なるべく不快な気分にならない匂いの製品を選ぶと安心です。
ただし、忌避剤は購入する前に匂いを判断することが難しいと思います。そのため、インターネットのレビューを見たり、ホームセンターやドラッグストアの店員さんに相談してから購入してみましょう。
国内のメーカーから選ぶ
ネズミの忌避剤は、国内のメーカーが作っている家庭用の製品から選びましょう。安全性、快適性、品質の面で優れた製品が多いため、安全に使用できるからです。
有名なメーカーだと、アース製薬、イカリ消毒などがあります。
インターネットの通販サイトを調べると、業務用など効果の強い忌避剤を取り扱っているところもあり、簡単に購入できるようになっています。
しかし、ネズミに対して効果があるというのは、成分が強く人間にも悪い影響を与える可能性もあります。たとえば、業務用と記載されている忌避剤は、倉庫などの広い場所で使用することを想定している製品もあるため、一般の住宅で使用すると危険な場合もあります。
すでにネズミの被害が出ている場合、なるべく効果の高い忌避剤を使って1秒でも早く駆除したいという気持ちが強いと思います。しかし、効果の高い忌避剤は取り扱いが難しいことも多いです。
家庭用でも正しく利用すれば、ネズミ駆除の効果が期待できるだけでなく、住環境の快適さを保つことができます。
忌避剤を設置するときのポイント
忌避剤の効果を発揮するには、設置するときに下記のポイントに注意しましょう。
- ネズミのいる場所に設置する
- >部屋の広さに合わせた数を設置する
- 空気の動きが少ない場所に設置する
- 効果が切れたらすぐに交換する
忌避剤は正しく使うことで効果を発揮するため、それぞれのポイントについて確認しておきましょう。
ネズミのいる場所に設置する
忌避剤はネズミのいる場所に設置することで効果を発揮します。「歩き回る音は聞こえるけど、どこにいるかわからない」という状況であれば、まずはネズミがどこにいるか特定が必要です。
ネズミは、基本的に隅や暗い場所に潜んでいます。たとえば、壁と床の接合部や家具の下、棚の裏などです。あやしい場所をみつけたらラットサインを探してみましょう。
ラットサインとは、簡単にいうとネズミの痕跡です。ネズミはとても警戒心が強く臆病なため、基本的にいつも同じ通り道を使って生活をしています。そのため、ネズミが何度も通っている道には、足跡や糞が残っていたり、壁に黒い跡などがついていたりします。
ネズミの姿が見えなくても、ラットサインがある場所は、近くに生息している可能性が高いため、付近を探してみて怪しい場所があればそこに忌避剤を設置しましょう。
部屋の広さに合わせた数を設置する
忌避剤は、製品ひとつに対して効果を発揮する広さが決まっています。部屋の広さに対して忌避剤の数が少ないと、匂いが届かない場所ができてしまいます。
そのため、製品の説明をよく確認して必要な個数を設置するようにしましょう。また、部屋の大きさや形状によっては、複数のポイントに設置することが効果的です。
空気の動きが少ない場所に設置する
忌避剤は、風の通りがなるべくなく成分がとどまりやすい場所に設置をしましょう。忌避剤の効果を発揮するには、成分がネズミに届くことが重要です。人の出入りが多い部屋の入口だったり、屋外につながる場所に設置をすると、匂いが流れてしまい効果が弱まってしまうからです。
そのため、忌避剤の設置は、ドアや窓から離れている場所や、換気の少ないスペースなど、空気の動きが少ない環境が適しています。
これにより、忌避剤の香りや成分がネズミの周囲にしっかりと広がり、効果を最大限に引き出すことができます。
効果が切れたらすぐに交換する
忌避剤の効果は時間とともに薄れていきます。効果が切れてしまうと、ネズミが再びその場所に侵入する可能性があります。
そのため、定期的に忌避剤を交換することが重要です。製品の指示に従い、交換のタイミングを把握しましょう。定期的な交換によって、忌避剤の効果を持続させることができます。
ネズミの被害を無くすには環境づくりが大切
ネズミの被害を防ぐには、家の中に侵入しない環境作りが大切です。忌避剤はネズミ駆除に有効な方法ですが、家の中に入れる場所があれば、忌避剤の効果が切れたタイミングで侵入されてしまいます。
忌避剤でネズミを駆除できたら終わりではなく、ネズミが侵入できないような対策を取ることが重要です。
イエネズミのなかでも最も小さいハツカネズミは、大人の小指程の大きさの穴があれば通り抜けることができてしまいます。そのため、家の周りをよく確認して、小さな穴も徹底的にふさぐことが効果的です。
普段は屋外で生活しているネズミは、冬になり気温が下がってくると、あたたかくて生活しやすい室内に侵入してくるため、春から秋の間に対策をしておきましょう。