毒エサは、ネズミ駆除のなかでも手軽に利用できる方法です。適切に使用をすれば家に侵入したネズミを駆除できます。
ただし、設置やその後の処理について、あまりおすすめできない点もあります。人やペットの健康被害につながるおそれもあるため、使用前に確認しておきましょう。
本記事では、ネズミ駆除における毒エサの種類とおすすめしない理由を解説します。
毒エサとは
毒エサは、ネズミを駆除するために利用される毒性のあるエサです。殺鼠剤(さっそざい)とも言われており、その名のとおりネズミが毒エサを摂取すると、毒成分によって駆除できます。
毒エサは種類が豊富で、効果もさまざまです。使用する場所や状況によって適切な毒エサが異なるため、ネズミ駆除を行う際は、使用場所に合わせた製品を選ぶことが大切です。
間違った種類の毒エサを使用すると効果を得ることが難しくなる可能性があるため、どのような種類の毒エサがあるのか確認しておきましょう。
毒エサの形状は固定と粉末の2種類
毒エサは、主に固形タイプと粉末タイプの2つの形状が存在します。選ぶ際には、それぞれの特徴をよく理解することが重要です。
固形タイプ | 粉末タイプ | |
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メリット |
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デメリット |
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どちらのタイプも設置するのは、ネズミのエサ場などが一般的です。エサ場はネズミが長い時間とどまっているため、糞が大量に落ちている傾向があります。
なお、ネズミは警戒心が強い動物なので、普段食べなれているエサがある環境に毒エサを置いても食べてくれる可能性は低いです。そのため、毒エサを設置する場合は、必ず毒エサ以外の食べ物がない環境を作るようにしましょう。
固形タイプの特徴
固形タイプは、適当な形状に成型されている毒エサです。そのまま使用することができるため手軽に設置できるのが特徴です。また、個包装されている製品もあり、手の届かない隙間に投げ入れて使うこともできます。
耐水性に優れているため、湿気の多い場所でも効果を発揮します。交換時期も比較的長いため、メンテナンスが容易です。
ただし、固形タイプは誘引効果があまり高くない傾向があります。そのため、ネズミを引き寄せるために、ソースやゴマ油などを付ける工夫が必要です。
粉末タイプの特徴
粉末タイプは、食品の上にかけたり、混ぜたりして使用する毒エサです。ネズミの好みに合わせた食べ物と一緒に使えるため、誘引効果を高める工夫がしやすいのが特徴です。
ただし、毒エサに問題がなくても、混ぜた食品が傷んだり古くなったりすると、誘引効果が低下するため交換が必要となります。固形タイプと比較すると交換頻度が高い点に注意が必要です。また、食品によっては湿気の多い場所に適さないことがあるため、使用場所や環境に合わせて選ぶことが重要です。
適切な形状の毒エサを選ぶことで、効果的なネズミ駆除を行うことができます。
効き目は急性毒性と慢性毒性の2種類がある
毒エサの効き目は、急性毒性と慢性毒性の2種類があります。急性毒性は、ネズミが食べてから数時間後に効き目が発揮されるタイプです。効き目が早いため、短期間でネズミを駆除できることが期待できます。ただし、ニオイが強い製品が多く、ネズミに食べさせるのが難しい面もあります。
一方、慢性毒性は、徐々に効果を発揮する毒エサです。ネズミが食べてから3~5日後に効果が発揮されるようになっています。毒性が弱い分、ニオイも強くなく、ネズミが食べやすくなっています。
ネズミの駆除は早くできたほうがいいのですが、そもそも食べなければ効果がでないため、慢性毒性のほうが効果が期待できるでしょう。
毒エサをおすすめしない理由
毒エサの特徴や種類について説明をしてましたが、正直、毒エサでのネズミ駆除はおすすめしません。理由は次のとおりです。
- ネズミの死骸が探しにくい
- 耐性があるネズミには効かない
- 子どもやペットの誤飲
それぞれについて細かく確認しておきましょう。
ネズミの死骸が探しにくい
毒エサを食べたネズミは、どこで死ぬか予測が難しく、死骸を回収することが困難な場合があります。急性毒性タイプの毒エサを食べたネズミは、数時間は生き続けています。その時間内に家の中を動き回っていた場合、ネズミがどこで息絶えるのかを特定することは簡単ではありません。
ネズミは人間に見つからないような隠れた場所に潜むことが多く、壁の中や押し入れの隅に隠れて死んでしまうことがあります。ネズミの死骸を放置すれば、そこから虫や病原菌が発生するため、人やペットの健康被害につながるおそれがあります。
耐性があるネズミには効かない
最近では、毒エサに使われる成分に耐性を持ったスーパーラットと呼ばれるネズミが発生しています。そのようなネズミが家の中に侵入していた場合、毒エサをいくら食べても効果がないため駆除できません。
特に都心部でのネズミがスーパーラットになっている可能性が高いため、毒エサが効かない可能性があります。
子どもやペットの誤飲
ネズミの毒エサに使われる成分は、人間や他の動物にとっても悪影響を与えます。固形タイプの毒エサは、お菓子のような色や形状をしているものがあり、子どもが間違って口の中に入れてしまうおそれがあります。
また、ネズミが食べやすいようなニオイを発しているため、ペットが食べてしまうケースも少なくありません。特に急性毒性の毒エサは強い成分を使用しているため、注意が必要です。
なお、毒エサを安全に使う方法にベイトボックスがあります。ベイトボックスは、毒エサを設置するための専用容器です。ベイトボックスにはネズミの出入口がついています。出入口は比較的小さいため、ペットや子どもの誤飲を防げます。
確実で安全なのがよければネズミ駆除業者に依頼する
ネズミは、賢くて学習能力の高い生き物です。効率的に駆除をするなら、特定の知識や技術が必要です。また、駆除したあとの糞尿、死骸、巣の処理なども必要になるため、安全に行うなら、ネズミ駆除業者へ依頼することも検討しましょう。
専門業者は、ネズミの生態や行動パターンに精通しており、最適な駆除方法を選定します。また、効果的な駆除だけでなく、周囲への影響も考慮して作業を行います。さらに、駆除後のアフターケアや予防策の提案も行うため、再発を防ぐためのサポートも期待できます。
ネズミ駆除業者に依頼することで、家や職場を確実にネズミの被害から守ることができます。専門業者のサービスを利用することで、効果的で安全な駆除を実現しましょう。